世界で最も有名なチョコレートケーキといえば、ザッハートルテだといって過言ではない。

菓子職人フランツ・ザッハーが考案し、そのオリジナルケーキを今日も提供するのが、ウィーンの五つ星〈ホテル・ザッハー〉だ。

開業は1876年。

フランツの息子エドゥアルドが創業した。

格調高い内装はたいへん優雅であり、とりわけ室内を赤で統一し、国立歌劇場を望む「レストラン・ロート・バー」は格式高い。

またウィーンといえばカフェ文化でも有名だが、館内の「カフェ・ザッハー・ウィーン」でザッハートルテとウィーナーコーヒーを楽しむスタイルは、ウィーン観光の定番でもある。

このホテルのスパには、いかにも〈ホテル・ザッハー〉らしいユニークなメニューがある。

ザッハートルテで知られるだけに、チョコレートを使ったトリートメントを用意している。

「ザッハー・ブティック・スパ」での施術は、その名も“タイム・トゥ・チョコレート”。

効能も確かなようで、カカオ豆から採れる天然の油分は肌のきめを整え、保湿効果も高いという。

プライベート感を高めたトリートメントルームには専用ベッドが整えられ、経験豊かなセラピストが施術をおこなう。

チョコレートクリームを使ったトリートメントのメニューは4種ある。

中で最も上級の“シンフォニー・オブ・チョコレート”のコースでは、チョコレートラップ、カカオ豆のピーリングマッサージ、チョコレートのボディマスク、チョコレートのマッサージと続く。　

ちなみに〈ホテル・ザッハー〉では、スパ以外に客室のバスアメニティにも、同様のチョコレートの香りづけをしたオリジナル製品を用意している。

チョコレートを含有といっても、無論、洗い流せば肌がべたつくことはないのでご安心を。

ともあれ、甘い香りに包まれながら過ごす“タイム・トゥ・チョコレート”の90分間は、極上のリラクゼーションを約束する。

これもまたウィーンならではの体験に違いない。