独創的な機構を創造し最高の装飾技法で作品化〈パルミジャーニ・フルリエ〉

独創的な機構を創造し最高の装飾技法で作品化〈パルミジャーニ・フルリエ〉

真のマニュファクチュール(自社一貫製造会社)化を実現。

そこからブガッティとのコラボレーションウォッチも生まれ創立25周年を記念する、ユニークピースも完成した。

パルミジャーニ氏は審美性と並び、未踏の技術革新も追い求めてきた。

複雑時計の世界にひとつの金字塔を打ち立てたものに、超高級車ブガッティとのコラボレーションウォッチがある。

ムーブメントは自動車の車軸のごとく、水平方向に並んで配置。

そして文字盤は垂直にレイアウトされ、ステアリングを握ったままで時刻を確認することができた。

さらに“スターター”と呼ばれる別機具で、本体の時刻調整とゼンマイ巻き上げを行う仕組みを開発した。

パルミジャーニ氏には、理想の時計づくりを成すための譲れぬ構想があった。

時計製造の垂直統合化だ。

サンド・ファミリー財団の後押しを得、ケースや文字盤といった外装をはじめ、ヒゲゼンマイや微細な歯車まで最高の品質を安定的に保てるよう、サプライヤーを次々とグループ化。

これにより極端な話、〈パルミジャーニ・フルリエ〉では一点ものの時計でも自社で製造できるように発展した。

その一例にオートマタ&クロックの「ヒポロジア」がある。

ラリック製のクリスタルケースの上には機械式の親子馬が立ち、本体の時計で設定した時間になると、優雅に闊歩して時刻を知らせる。

アンティークではない、新作オートマタの最高峰だ。

ユニークピースといえば、近年、メゾンではパルミジャーニ氏の偉業に敬意を表した2作の懐中時計を再生している。

一つは19世紀に作られた複雑ムーブメントを修復し、名工たちによって装飾がなされた「ラ・ローズ・カレ」。

もうひとつはこちらも19世紀の複雑ムーブメントを修復し、さらに以前パルミジャーニ氏の手で永久カレンダー機構が追加された「ラルモリアル」だ。

いずれも最高の修復技術と装飾工芸が結集したタイムピースである。