Mille Miglia 最高峰のクラシックラリー 時を超える美しさと 優雅な祭典
ミッレ・ミリア。それは世界有数にして国内最高峰のクラシックカーラリー。
東京は明治神宮を皮切りに、公道を1000マイル走り抜ける華麗にして格式を感じる唯一無二の祭典だ。
1000マイルを駆ける伝説
1927年にイタリアで伝説的な公道レースが始まった。伝説の名前はMille Miglia(ミッレ・ミリア)。その歴史を辿ると1899年にイタリア北部で開かれたカーレースまで遡る。
レース熱は次第に高まり、1927年にイタリア北部のプレジアからローマまで南下しプレジアに戻るという、イタリア全土を駆ける公道スピードレースとして初開催。
その走行距離が約1000マイルに達することからミッレ・ミリアー(イタリア語で1000マイル)という名が付くことになる。
以降、各国の自動車メーカーがミッレ・ミリア優勝のためにしのぎを削り、ル・マン24時間レースと並び立つ大会に発展。
その熱狂ぶりは二度の世界大戦はじめ、幾度かの中止に見舞われても、すぐさま復活していることからうかがい知ることができるだろう。
そして、1977年からは当時参戦した実車とその同型車のみが参加できるタイムトライアル方式のクラシックカーレースとして現代まで続いている。
熱狂と伝説は、日本に
欧州を揺るがす熱狂は、1992年に日本へと伝播した。
日本初開催から5年後の1997年からは日本で唯一の国際クラシックカー連盟から公認を受けたクラシックカーレースとして「L a F e s t a M i l l eMiglia」を開催。
毎年秋の10月初旬から中旬に開催されており、全日程3泊4日で約1000マイル(約1600㎞)。
原宿・明治神宮をスタートして北上、南東北を周遊した後に南下し、スタート地点に戻るレースには、クラシックカーを愛する著名人が毎回参戦するなど、本国同様の高い人気を博している。
世界一美しいレース
ミッレ・ミリアは単にスピードを競うのではなく、正確性に加えて交通ルールの安全性を求められる一面がある。
競うのは、決められた距離を決められた時間内に走ること。そのため、クラシックカーの車列が優雅に走る姿から「世界一美しい自動車競技」と称されるほどだ。
しかしながら、寒い秋の朝にエンジンを温め、現代の一般車と比べて重たいハンドルやクラッチ、ギアを操作しながら1000マイルを走り抜くことは決して容易ではない。
参加するクラシックカーはどれも歴史的な車両であることは間違いない。
そして、クラシックカーを所有するということは車が作ってきた歴史や文化を受け継ぎ、継承することでもある。
ただ保存するのではなく、走ってこその車、でもあるのだ。ミッレ・ミリアに参加すること。
それはオーナーたちの愛車、クラシックカーへの想いとミッレ・ミリアに対するリスペクトが込められている。