武士の鍛錬を現代に読み解くサムライの武芸  The Samurai Arts, Reimagined

武士の鍛錬を現代に読み解くサムライの武芸 The Samurai Arts, Reimagined

戦場を駆けるために磨かれた技は、やがて平和な時代を生きる武士たちの鍛錬となり、心と身体を鍛える「武芸」として受け継がれていった。弓を射る、馬を操る、刀を振るうーーその姿は、勝敗を競い、自らを高め続ける現代のアスリートにも通じるものである。本展「武芸 サムライ・アスリート」は、武士たちの武芸を「400年前のスポーツ」という新たな視点から読み解き、その本質に迫る。

本展では、尾張徳川家で実際に用いられた武具類や武芸各種の伝書を中心に、武士たちが磨き上げた多彩な武芸の世界を紹介する。弓術、馬術、剣術、鎗術、炮術、さらには鷹狩まで、多彩な武芸がどのように受け継がれ、武士の教養や精神修養へと発展していったのかを、多角的にたどる構成となっている。

なかでも注目は、徳川家康所用と伝わる鞍・鐙や、尾張徳川家初代・徳川義直着用の具足、尾張柳生家ゆかりの大太刀など、歴史を彩った名品の数々である。実戦で用いられた武具の機能美と、武士たちが磨き上げた卓越した技術や精神性は、現代のスポーツ文化にもつながる普遍的な価値を感じさせる。また、戦乱の時代を描いた合戦図や、武芸を体系化した伝書などを通して、「戦う技術」から「鍛える文化」へと変化していく武芸の歩みも浮かび上がる。

2026年、名古屋ではアジア競技大会・アジアパラ競技大会が開催される。本展は、その節目にあわせ、「サムライはアスリートだった」という視点から、日本文化の新たな魅力を提示する試みでもある。一振りの刀、一張りの弓、一具の甲冑の向こうに見えてくるのは、勝利を目指すだけではない、己を鍛え続けた武士たちの生き方である。本展は、武芸の歴史をたどると同時に、日本人が受け継いできた鍛錬の精神に触れる機会となるだろう。

 

夏季特別展 武芸 サムライ・アスリート
■会期:2026年7月25日(土)~9月27日(日)
■会場:徳川美術館・蓬左文庫展示室 愛知県名古屋市東区徳川町1017
052-935-6262
10:00~17:00 
※最終入館は16:30 月曜日(但し、9月21日(月・祝)~9月23日(水・祝)は休まず開館、 翌9月24日(木)は休館)
一般=2,000円、大学生・高校生=1,200円
※中学生以下は入場無料
※障がい者の方と付き添い1名様は手帳のご提示で200円割引いたします