宮廷の人々を魅了した極薄の輝き〈ロブマイヤー〉

宮廷の人々を魅了した極薄の輝き〈ロブマイヤー〉

ハプスブルク家のテーブルを飾り、明かりを灯した名品。

今日もハンドワークに徹し、最上の生活芸術を届ける。

まさに宮廷が育んだ、価値あるクリスタル製品だ。

シュテファン大聖堂から国立歌劇場へ続くケルントナー通り。

その一角に19世紀当時の内外装を復元させて店を営むのが、クリスタル製品の〈ロブマイヤー〉だ。

オーストリア製のクリスタルと聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは、リーデルやスワロフスキーかもしれない。

だがこの〈ロブマイヤー〉は現代でも機械による大量生産に向かわず、職人のハンドメイドに徹している。

1823年、ガラス職人のヨーゼフ・ロブマイヤーが創業。

1835年には皇帝フェルディナント1世から、宮廷御用達の称号を認められた。

フランスのクリスタル製品は鉛を使って透明感を出してきた。

それがため、時に環境への害が指摘されてきた。

その一方で〈ロブマイヤー〉では鉛ではなく、木の灰を使うカリクリスタル製法を採用する。

同製法は、環境への負荷が少ない。そしてとても軽量ながら強度に富む、そんな利点の多いクリスタル製品ができあがる。

この性質を生かして〈ロブマイヤー〉は極薄クリスタルを実用化し、世界最高峰といわれるグラヴィール技法で精緻な文様を施してきた。

それは「光の彫刻」と称讃されている。 

〈ロブマイヤー〉の製品は食器からやがてシャンデリアにも発展。

2代目のルートヴィヒ・ロブマイヤーはトーマス・エジソンと電気式シャンデリアを発明した。

〈ロブマイヤー〉はウィーンの皇宮やシェーンブルン宮殿、ベルヴェデーレ宮殿の夜を光で華麗に飾ってきた。

オーストリア以外では、米国ニューヨークのメトロポリタン歌劇場にも採用されている。

皇妃エリーザベトにその輝きを愛され、エリザベス2世英国女王も顧客名簿に名を連ねている〈ロブマイヤー〉。

ウィーンの本店3階には同社のアーカイブがあり、ハプスブルク家が使用してきた歴代の名作などが展示公開されている。

これもまた、ウィーンの宮廷文化を象徴するにふさわしい御用達製品に挙げられる。

Lobmeyr/ロブマイヤー

住所:
Karntner Strase 26 1010 Wien
電話番号:
+43 1 512 05 08-0
営業時間:
10:00〜18:00
定休日:
日曜・祝日