ヘルシンキでアアルト散歩を
ヘルシンキにはアアルトの建築物が点在し、日常的に使用されているものも多い。イベントホールとして1971年に完成した「フィンランディア ホール」はアアルト最晩年のプロジェクト。機能性や自然素材を用いた温かみのあるデザインであり、アアルト建築の集大成ともいわれている。アアルトは、主役は建物ではなく人、つまり演者と観客であるべき。そして真に優れた舞台は、イベントの雰囲気を邪魔しないものであると考えていた。ホールはこの哲学を具現化させている。建物の傍では晩年のアルヴァの銅像が空を見つめている。

ホール同様、市民に愛されているのが「アカデミア書店」だ。1969年に設計され、現在も書店として営業を続けている。天井に設置された採光のための大窓はいかにもアアルトらしいデザインであり、2階には「アアルト カフェ」も併設。買い物帰りの市民の憩いの場となっている。

Academic Bookstore
アカデミア書店
Keskuskatu 1, Helsinki
+358 46 876 1240
https://akateeminen.com/
書店からほど近い場所には、アアルト夫妻が仲間とともに1936年に設立した家具店「アルテック」の本店がある。同社設立には家具販売だけでなく、モダニズム文化を促進する目的もあった。よってアアルト以外のデザイナーによるプロダクトも取り扱い、展示販売している。アアルトが提唱したデザイン哲学に触れられる空間だ。
