好きなものと 人生を歩む贅沢

好きなものと 人生を歩む贅沢

家に住む。当たり前のことのように思えるが、はたして本当に満足する家に住ん
でいるだろうか? もちろん、人それぞれに家へ求める価値は異なる。それは安
心できる場所であったり、自分の活動の場であったり、家族や大切な人と豊か
な時間を重ねる場所であったりと、さまざまだ。だが、そのどれもに共通している
のは「自分の人生と共にある場所」ということに変わらない。

古都、鎌倉。豊かな緑に包まれ、その先には穏やかな海が広がる。この地に建つマンションの一室は、単なる“住まい”という言葉だけでは語りきれない存在感を放っている。恵まれたロケーションと、住む人の感性、そして住まいに求める価値観が静かに重なり合う空間には、日常をより美しく、より豊かにするための設計思想が息づいている。

窓の外に広がる四季折々の風景。陽光が差し込み、海と山からの風が室内を通り抜ける。その自然との距離感を大切にしながら、室内は洗練されたモダンデザインで統一。落ち着いたトーンを基調としながらも、遊び心を感じさせる色使いやデザイン家具が空間に個性を添えている。素材選びから照明計画、動線設計に至るまで、家主の理想と居住空間へのこだわりを反映した細やかな配慮が施され、静謐でありながら心地よい緊張感を纏った空間へと仕上げられている。

特に印象的なのは、その巧みな空間構成だ。大きく設けられた洋風のリビングに対するように設えられた和室は、小上がり仕様となっており、さらにバルコニーと床の高さを揃えることで、扉を開け放てば、和室の延長線上に自然が溶け込むように広がり、室内にいながらも鎌倉の風や景色を身近に感じることができる。趣の異なる洋室と和室でありながら、その根底には「自然と共に暮らすこと」と「空間の使い勝手を高めること」を大切にした、家主の思想が一貫して息づいている。

驚くべきことに、この住まいはリノベーションによって生まれ変わった空間だ。リノベーションとは、リフォームを内包しつつもただ古くなった部分を直すだけでも、不便を解消するだけでもない。住む人がこれからどのような時間を過ごし、どのような価値観と共に生きていくのかを創り上げることともいえる。その人生に静かに寄り添いながら、暮らしそのものに彩りを添えていく―。この空間には、従来の「家づくり」という枠組みを超えた、新たな「住まいづくり」の思想が息づいている。

三井デザインテックのだからできる
リノベーション

前段で紹介した鎌倉の家は、土地の利点、部屋の特性、住む心地よさを家主と共に三井デザインテック社が創り上げた。リノベーションだからこそできる「家の面白さ」と「住む心地よさ」の両立。「物件を買う」「立地で選ぶ」「広さや設備で決める」だけではない、究極の選択肢がある。今回、リノベーションという選択について、鎌倉のリノベーションを担当した三井デザインテック社のリフォームプランナーの方に特別にお話をお伺いすることができた。

―今回ご紹介させていただいた鎌倉の住まいは、写真を拝見しただけでも非常に印象的でした。まず、この空間づくりはどのようなところから始まったのでしょうか。

土居 今回のお客様からは、「禅モダン」というコンセプトをベースにしたいというご要望がありました。ですので、単に内装を整えるだけではなく、この空間が本来持っている魅力をどう引き出すか、というところから考えていきました。たとえば以前はただの廊下だった中庭沿いのスペースを、縁側のようにくつろげる場所として提案したり。お客様の理想をお聞きしながら、一緒に形にしていった感覚ですね。

―単なる「要望を叶える」というより、対話を重ねながら共につくり上げていく印象があります。

土居 そうですね。まず私たちは、リノベーション前にその住まいが持っているポテンシャルを丁寧に見ていきます。たとえば、眺望が素晴らしいのに活かしきれていないケースもありますし、逆にタワーマンションのように窓面が限られる場合もある。また、構造上どうしても動かせない壁や柱もあります。そういった「何ができて、何ができないのか」を整理したうえで、お客様の想いや暮らし方を重ね合わせていくところからスタートします。

―完成した空間を見ると、建売住宅とはまったく違う価値観を感じます。

土居 建売住宅は、広さや間取り、ターゲット層など、ある程度“平均化”された前提の中で設計されます。でも、私たちはお客様一人ひとりの人生や価値観に合わせて、ゼロから空間を組み立てていきます。そこが大きな違いですね。

―それはもはや「住まいづくり」というより、「どう生きたいか」を考える作業に近いですね。

土居 本当にそうだと思います。リノベーションしたいお客様は、単に便利で新しい家を求めているわけではなく、「好きなものに囲まれて暮らしたい」という想いを強く持たれている方も多いんです。リノベーションは、古くなった部分を直すだけではなく、その人の人生や感性に寄り添いながら、暮らしそのものに彩りを加えていくものなのだと思います。

―まさに、人生と共に歩む空間ですね。

土居 以前、「バリ島のリゾートのような空間にしたい」というオーダーをいただいたことがありました。その際は、本物のバリの職人さんに木彫り装飾を依頼して、日本の建具職人さんと組み合わせて仕上げたんです。

―そこまで手をかけるのは大変ですが、面白いですね。

土居 鎌倉の家も家具や照明だけでなく、クッションの生地や花瓶まで、お客様と一緒に選びに行って、みんなでワクワクしながら空間をつくっていくんです。

―完成して終わり、ではなく、その過程自体も豊かな体験ですね。

土居 ありがたいことに、一度ご依頼いただいたお客様から「次も同じメンバーでお願いしたい」と言っていただけることも多いんです。今回の鎌倉のお住まいも、以前担当させていただいたお客様のセカンドハウスでした。最初の住まいづくりを通じて信頼関係ができたからこそ、「次はもっと遊び心を入れたい」というお話につながっていったのだと思います。

―既存の建物だからこそ生まれる面白さもありますね。

土居 そうですね。その場所が持つ歴史や景色、建物の個性があるからこそ、リノベーションには面白さがある。たとえば私が担当した物件ではないのですが、別のお住まいでは、あえて壁を斜めに配置し、視線が自然と外へ抜けていくようにしました。まるで京都の寺院で借景を眺めているような感覚になるんです。新築ではなく、既存の空間と向き合うからこそ生まれる発想だと思います。

―やはり、環境も含めて好きなものだけに囲まれて暮らすことが、いかに贅沢なことなのか。そして、時間とお金をかけて、人生を歩む場所を作ることが、真のラグジュアリーなのだなと改めて感じます。

土居 床材一枚、壁の色ひとつにしても、自分で選び、自分の意思で決める。その積み重ねが、暮らしの満足感につながっていくんです。どこに心地よさを感じ、何に人生の軸足を置くのか。住まいには、その人自身が表れる。だからこそ私たちは、空間をつくるだけではなく、その方の人生に寄り添うような住まいづくりを大切にしたいと思っています。

 

土居真澄
一級建築士 / 三井デザインテック株式会社 ライフスタイル事業本部のリフォームプランナーとして多くの物件に携わる。素材と色彩のバランスを得意とし、住む人と共に作り上げるインテリアも評価が高い。

自分らしい生き方を
形にするリノベーション

家をリノベーションする面白さとは、単に古くなった空間を新しく整えることではない。そこに住む人の感性や価値観、そして「どう暮らしたいか」という想いを、空間そのものに反映できることにある。既製品の住まいではなく、“自分たちらしい空間”を一からつくり上げていく。その自由さこそが、リノベーションの醍醐味なのかもしれない。

神奈川県・箱根に誕生したこのセカンドハウスは、まさにその面白さを体現した一邸だ。今回、インタビューを受けていただいた土居氏も絶賛する空間は、「どうすればこの場所でしか味わえない時間を生み出せるか」という発想が生み出した、と言えるだろう。

 

さまざまなアイディアが息づく、この住まいでもっとも象徴的なのが、リビングから窓側へ向かって、あえて壁を斜めに広げていく大胆な設計だ。壁を台形状に広げることで、視線が自然と窓の先にある箱根の山並みへと導かれ、まるで景色そのものを室内に取り込んだかのような感覚を生み出している。

これは、単なるデザイン上の遊びではない。住まい手自身が「自然を感じながら、非日常を味わえるセカンドハウスにしたい」という想いを持っていたからこそ実現した空間である。つまり、この家の魅力は、設計者だけのアイディアでは完成しない。住む人の感性や、“こんな場所で暮らしたい”という意識があって初めて成立する。大胆な設計と、住まい手の価値観。その両方が美しく調和している点に、リノベーションの本質があるのだと感じる。

さらに興味深いのは、空間全体に漂う「余白」の感覚だ。小上がりの和室、景色を額縁のように切り取る窓、心地良いオープンキッチン。どれも静かな緊張感と上質さがあり、そこにいるだけで感性が整っていくような住まいがある。

家を買う。家を建てる。家を借りる。住まいにはさまざまな選択肢がある。だが、リノベーションには、そのどれとも違う魅力がある。既存の空間をベースにしながら、自分の価値観や美意識を反映し、“本当に自分らしい住まい”をつくり上げられることだ。鎌倉や箱根の住まいは、その可能性を教えてくれる。

リノベーションとは、単に家を直すことではない。自分の好きな景色、自分が心地よいと思う時間、自分らしい生き方を、空間として形にしていくことなのだ。

三井デザインテック株式会社
個人宅だけでなく、数多くのビルやマンションの共用部やホテルなど
の空間デザインで培ったスキルを生かし、ライフスタイルに合わせた理
想の住まいづくりをお手伝い。公式サイトでは無料の相談も可能。

電話番号:0120-73-3131

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