時を吸い、意匠を愛でる キセルという芸術品
煙をくゆらせるひとときに、所作や意匠、そして持ち主の感性までもが映し出される。それがキセルである。
その起源は1600年ごろ。ポルトガル人宣教師によってたばことともに伝来し、やがて帯に差して持ち歩くなど日常に溶け込みながら、装身具としての役割も担うようになった。
江戸時代に入ると、奢侈(しゃし)を抑える風潮の中で「見えない部分にこそ美を宿す」という「粋」の文化が育まれ、キセルもその象徴となった。吸い口や雁首(がんくび)、羅宇(らう)に施された繊細な細工に加え、金・銀・銅・真鍮といった素材の選び分けにも、持ち主の「粋」が宿っていた。
一方で、キセルの扱いには武士、町人、博徒、遊女など身分や立場によって、持ち方や所作に異なる美意識が反映されていた。とりわけ遊郭では所作そのものが意味を帯び、遊女がキセルを軽く吸い付け相手に差し出す「吸付煙草」は、男性を誘う手段として流行したのも、その一例である。
こうした美意識の系譜を現代に伝えるのが、清課堂による「純銀延煙管 竹」と「純銀延煙管 名栗」である。1838年創業の同店は、神社仏閣や宮中御用品を手がけてきた歴史を持ち、伝統技術を守りながら現代の暮らしに調和する製品を生み出している。
同シリーズは、一点ごとに手作業で仕立てられており、純銀の質感と日本的な意匠を融合させたキセルだ。いずれも一枚の地金を打ち延ばして成形する「総鍛造」によって作られ、滑らかな構造を実現している。

意匠にも日本の美意識が色濃く反映されている。竹は節のリズムを繊細に刻み、自然の造形を写し取ったような凛とした佇まいを持つ。一方の名栗は、不規則な凹凸が特徴で、光を柔らかく受け止め、使うたびに異なる表情を見せる。
純銀という素材もまた、このキセルの魅力を支えている。使い込むほど銀特有の黒みを帯びたいわゆる「いぶし銀」が表れ、その深い寂びた味わいを楽しめる。磨き方や使い方によって異なる表情を宿し、自分だけのキセルへと変わってゆく。
素材:純銀(銀99.9%含有、メッキではなく全て純銀製)
サイズ:幅160mm×奥行12mm×高さ18mm
重さ:36g
価格:220,000円(税込)
*桐箱入り
純銀延煙管 名栗
素材:純銀(銀99.9%含有、メッキではなく全て純銀製)
サイズ:幅160mm×奥行12mm×高さ15mm
重さ:38g
価格:220,000円(税込)
*桐箱入り
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