密林の奥に優雅な休日を約束、 ワイルドでナチュラルな楽園

密林の奥に優雅な休日を約束、 ワイルドでナチュラルな楽園

それはカンボジア南西部カルダモン山系に潜む。
熱帯雨林の渓谷に生まれた15棟だけのリゾート。
大自然の中に、徹底した美意識を注ぎ込んだ隠れ家だ。

首都プノンペンとシェムリアップでは、カンボジアの歴史を今日に蘇らせた名門ホテルに出逢ったが、この国にはそれとは全く世界観を違えた極上のリトリートもある。とびきりのネイチャーライフとラグジュアリーステイを両立させた〈シンタ マニ・ワイルド〉がそれだ。

プノンペンから南西に向かい、ジャングルを車で進むこと3時間の地に、南カルダモン自然保護区はある。その熱帯雨林の奥に2018年、リゾートは生まれた。敷地面積は350ha。これは東京の国立競技場の32倍弱ほどに相当し、そこに用意された宿泊テントは、わずか15室だ。創設者はラグジュアリーホテル建築家として世界的な評価を得る米国人のビル・ベンズリー氏。ハーバード大学で建築を学んだ後、1989年、バンコクにスタジオを設立。以来、バリ島の〈カペラ ウブド〉やバンコクの〈ザ・サイアム〉などの高級ホテルで、際立つ美意識を発揮。カンボジアでは貧困にあえぐ民衆の援助に身を投じてきたが、カルダモン山系の乱開発に立ち向かって土地を購入、自然環境持続を図るリゾートを立ち上げた。

渓流沿いに点在するゲストテントは、東京ドーム3.5個分の広さに1棟という面積割合。覗かれる心配はないので、写真の通りバスタブはテラスでむき出しだ。照明を落とせば、夜は真の闇となる。無論、セキュリティは万全であり、微に入り細をうがつサービスを約束する。まさしくワイルドとラグジュアリーがここに両立している。

写真上を見て欲しい。これは谷を越えて張られたワイヤーロープ。〈シンタ マニ・ワイルド〉ではこのジップラインで空中を渡ってチェックインする。無論、望まない人は陸地からもアクセスできる。

リゾートの料金システムは完全なオールインクルーシブだ。プノンペンまでの往復車送迎(別途でヘリコプターも手配可)、宿泊費、高級ワインも含んだ全飲食、バトラーサービス、全てのアクティビティやスパ体験の一切が含まれる。そしてゲストが宿泊するテントはいずれも異なる内装となり、選び抜かれたアンティークやモダンアートで装飾されている。テントとは言うが、冷蔵庫、エアコン、バス、シャワーはもちろん完備。

滞在中は“アドベンチャー・バトラー”が全てをサポートする。食事手配やベッドメイキングはもとより、アクティビティのガイドも彼らが担う。たとえば密林のトレッキングやフライフィッシング、ブレックファースト・シャンパン・クルーズなどを案内。夕刻には渓流の岩場に氷を溜めてワインを冷やしてくれる。しかし〈シンタ マニ・ワイルド〉を何より象徴するアクティビティは、ライフルを握るレンジャーに同行するパトロール体験だろう。

カルダモン山系にはセンザンコウや手長ザルなどの絶滅危惧動物や2,000種の植物が生息するが、違法ハンターによる捕獲、伐採が繰り返されてきた。そこで1995年、カンボジアに国際NGO「ワイルドライフ・アライアンス」が設立され、違法者の取り締まりと野生生物の保護に取り組んでいる。ベンズリー氏の創設目的はここにもあった。リゾートでは収益の一部を同NGOに寄付し、自然保護の持続可能性を支えている。こうして宿泊ゲストは、罠にかかった動物を救う活動なども実体験できる。

話をリゾートライフに戻そう。ここは密林の中なので、近くに市場などない。リゾートでは毎日、スタッフが出かけ、天然のハーブやイモ、果物、沢ガニなどを採取し、これを施設の自家農園で採れたオーガニック野菜とあわせてゲストに振る舞う。リゾートの天然指向は徹底しており、食事に限らずスパでも使用するオイルなどに化学物質は使わず、地元産の薬用植物やハーブで手作りをしている。ちなみに昨年末、新たに就任した女性シェフのプリティ・ボムゾン氏も、自ら野に出て天然食材を摘み、日々異なるひと皿を創造している。

〈シンタ マニ・ワイルド〉ではスタッフ約120名のうち、7割が地元雇用だという。リゾートはゲストをもてなしつつ、「カンボジアの新しい姿」も多角的に前進させている。密林の奥に未来への架け橋がある。

Shinta Mani Wild
シンタ マニ・ワイルド

住所:Prey Praseth Village,
  Ou Bak Rothed Commune,
  Kampong Seila District,
  Preah Sihanouk Province
TEL:+855 96 919 0000
URL:www.shintamani.com/wild