ハワイの海と大地の恵みを賞味 地産地消ダイニング『Arden Waikiki』
豊かな海と大地、そして気候にも恵まれたハワイでは地域の食材を見直す動きが加速している。
それは食の持続可能性に関わる課題にもつながる。
地産地消をテーマにする人気レストランを訪ねた。
二人三脚で再発見ハワイの新しい味
シェフのマコト・オノ氏とペストリーシェフのアマンダ・チェン氏。
カナダで成功後、ホノルルで新店を開業。
ハワイの伝統の味をモダンに再解釈する。
昨秋、ホノルルに新しい地産地消レストランが誕生し、話題を呼んでいる。
〈アーデン・ワイキキ〉は、カナダのバンクーバーで受賞歴を重ねてきたふたりの料理家が開いた店。
〈ロータス・ホノルル・アット・ダイヤモンドヘッド〉というホテルの2階にあり、カピオラニ公園の緑が見渡せる。
シェフのマコト・オノ氏のご両親は茨城県からカナダに渡り、寿司レストランを開いた。
同氏は料理学校に進み、その後ロンドンにて世界的なシェフ、ジャン・ジョルジュ・ヴォンゲリステンの下で腕を磨く。
そして香港でアマンダ・チェン氏と出会った。
今日の〈アーデン ワイキキ〉のペストリーシェフであり、そして妻である。
結婚後、バンクーバーでレストランを開いたふたりは、新たな人生をハワイで歩み出した。
〈アーデン ワイキキ〉のコンセプトを尋ねると、コンテンポラリーな手法でハワイ産食材の持ち味を引き出すことと言う。
「メニューのほとんどに何かしら地元食材が入っています。特に魚介類であれば、養殖ではなく天然にこだわります。野菜なら生産者までしっかり見極めます。レタスと紫大根はオアフ島のヒラバラ農園、クレソンならスミダ農園という具合に」
「食材だけでなく、調味料も地元産をアレンジしています。トマトに使ったドレッシングには、リーヒンムイ(中国語名、旅行梅)のビネグレットを使っています」
それは日本の梅干しを乾燥させたような、甘酸っぱいハワイの伝統食。
一方チェン氏のベイクドケーキには、香り付けにカウアイ島のラム酒を使う。
開店半年とは思えないほど、ハワイの食文化、食事情に精通しているふたり。
今後の評価が楽しみだ。
同店にはハーブやフルーツなどから新鮮なカクテルを創作するミクソロジスト、ジャビア・ムノツ氏も在籍。
同氏が作ったカクテル「オレナ」。サントリーウイスキー「季」をベースに、バニラビーンズ、レフアという花を好むミツバチの蜂蜜、さらにライム、ターメリック、シナモンなど地元産のフレーバーをミックス。レフアはハワイの島花。ハワイの大地が香るカクテル。
個室も整う。事前予約で利用可。
Arden Waikiki/アーデン・ワイキキ
- 住所:
- Lotus Honolulu at Diamond Head 2nd Floor 2885 Kalakaua Ave. Honolulu, HI 96815
- 電話番号:
- +1(808)791-5151
- 営業時間:
- 17:00~21:00
- 定休日:
- 月曜、火曜
text / YOSHIAKI NIMURA, Photographs / AKIRA KUMAGAI, Coordinator / HISAKO SANJO