皇妃エリーザベトが愛した ハンドメイド・ジュエリー 〈A.E.ケッヒャート〉
歴代皇妃の中でも、とりわけ美貌で知られたエリーザベト。
その肖像画の髪飾りを製作したジュエラーは今日もハンドメイドによって、輝きを生み続ける。
皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇妃、エリーザベト。
ドイツ・バイエルンの公爵家出身であり、絶世の美女だったと語られている。
「シシィ」の愛称でも広く親しまれ、代々のハプスブルク家の一族の中でとりわけ人気が高い。
そんなエリーザベトの肖像画で最も有名なのは、宮廷画家ヴィンターハルターが描いた、左に振り向いた絵。
皇妃の長い髪は、星形をしたジュエリーで飾られている。
その髪飾りをデザインし、製作したのが、ここで紹介するハンドメイドの宝飾店〈A.E.ケッヒャート〉である。
エリーザベトの時代から1世紀半が過ぎた今日も、ウィーンの旧市街に工房と店を構え、家族経営によりジュエリーをハンドメイドで製作している。
その夜、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇妃はモーツァルトのオペラ『魔笛』を鑑賞していた。
「夜の女王のアリア」を歌う歌手にエリーザベトは感激。
そして歌手の衣装には星々が飾られていた。
そこで皇帝はお抱え宝飾師のアレクサンダー・エマニュエル・ケッヒャートにジュエリーを注文する。
こうしてふたつの五芒星を重ね、そこにダイヤモンドを散りばめた髪飾りが完成。エリーザベトの肖像画にも描かれることになる。
〈A.E.ケッヒャート〉の創業は1814年に遡る。
1831年には宮廷御用達宝石商の称号を与えられた。
以来、ウィーンの皇帝皇妃をはじめ、各国王室、貴族の王冠など宝飾品をデザインし、製作してきた。
保管されているジュエリーの下絵は15,000枚にも上り、貴重な宝飾品自体も保存。
その中にはハプスブルク家最後の皇帝カール1世が、式典に使用したブレスレットなども含まれる。
今日もハプスブルク家の末裔とは交流があるという。
現在は注文制作の他に、既製ジュエリーも販売。
エリーザベトの星形のジュエリーも「シシィ・シリーズ」として復刻販売されている。
興味深いエピソードもあって、上質なウィーン土産のひとつに数えられている。
A.E.Kōchert/A.E.ケッヒャート
- 住所:
- Neuer Markt 15 1010 Wien
- 電話番号:
- +43 1 512 58 28
- 営業時間:
- 10:00〜18:00 土曜10:00〜17:00
- 定休日:
- 日曜・祝日